宿主のB細胞活性化因子であるBAFFは、内臓型リーシュマニア症における脾腫や高ガンマブロブリン血症における病態関連因子として機能します。感染個体では血中BAFF濃度の上昇も見られることから、脾臓においてBAFF産生が亢進していることが予想されましたが、BAFF産生細胞については分かっていませんでした。そこで感染マウスの脾細胞においてBAFF発現を解析したところ、主たる原虫感染細胞である脾臓の常在性マクロファージとは異なり、感染によって誘導される炎症性マクロファージが主たるBAFF産生細胞であることが明らかになりました。この炎症性マクロファージは、すでに明らかになっている別の病態関連因子であるMRP14も共発現しており、脾臓における病態形成に重要な役割を担っていることが示唆されました。